さて再び東南アジアに戻ります。
日本のステンレス魔法瓶会社も、ステンレス製魔法瓶がアジア圏においても今後伸びると予測しタイで工場の建設をしていました。
最近ではベトナムでもステンレス魔法瓶が生産されています。
もちろん日系会社です。
余談ながら近年中国製のステンレス製魔法瓶が出回っていますが、日本製の方が圧倒的に保温性に優れています。
これはステンレスを二重成形し壁面の閉じ込められた空間の真空度が日本製は十分保たれているからです。
世界で初めてステンレス製魔法瓶を生産したのは当時日本酸素㈱(現太陽酸素)です。
新潟県燕市の洋食器の加工技術を応用してステンレスをヘラ絞り加工を施し真空引きしながら溶接する技術を世界で初めて開発しました。
品質は圧倒的に日本のメーカーに優位性があります。
真空度が保たれるので保温効果が長期間持続します。
一方真空度の低い製品は保温効果が持続しません。丈夫な水筒にすぎません。
さらに同種の製品ですが日本製の電気ポットやステンレス製炊飯ジャーなどの場合は真空度に加えてその使用環境から特殊な腐食環境の為にSUS304ではない専用鋼種が使われています。
水道水のカルキが沸騰により濃縮することがある、水の沸騰界面の腐食、すしご飯を入れる、酸性食品・飲料を入れる、酸性洗剤の使用などなどSUS304では錆びることも有り、モリブデン添加、ニッケル濃度UPなどなど対策された専用鋼種を使いさらにフッ素コートしている製品もあります。
この分野でも使用材料や表面処理技術・加工技術などの面で日本製が圧倒的に優れています。
これらの会社は本社が大阪に集中し、加工は新潟県の燕三条からスタートし現在では世界中に工場があります。
最近では飲料商品が直接カップに出てくる自動販売機の液体タンクも燕三条地区でステンレスで作られてました。
余談ですが飲料自動販売機のタンクに用いるステンレス鋼に関する研究開発も日本で行われていました。
それはタンクに入れた飲料の味の変化の問題です。
タンクが錆びる訳では有りません。
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